ブラジルW杯 開幕戦 ブラジルvsクロアチア

前回の記事でW杯開幕戦のことに触れました。

予定通り目覚ましにしっかり起こされ、リアルタイムで観戦することができました。

色々なことがありましたが終わってみれば結果は ブラジル3-1クロアチア となりました。

この試合についての私なりの感想やポイントなどを書いていきたいと思います。

かなり長くなっているので、興味のある項目だけを見て頂いても構いません。

今回が特別長いのかもしれませんし、次回もこんなに書くかもしれません。

予定は未定ですがお付き合いよろしくお願いいたします。 

 

●試合前からの盛り上がり

サッカー大国ブラジルでの自国開幕戦。開始前から相当な盛り上がりをみることが出来ました。

わかり易い例として、国歌斉唱部分をあげたいと思います。

国家は基本的に1番が流されるだけで音楽は終わります。今回もその例に漏れず流れたものは1番のみでした。しかし、その後もスタジアムに駆けつけたブラジルサポーターやブラジル代表選手などは歌い続け、アカペラで2番を歌い切るまで他の人達が待つという現象が起こりました。

中には涙を流しながら国家を歌う選手もみることができ、この舞台がどれだけ価値のあるものなのかを感じさせてくれました。

 

●飛び交う日本語

今回の試合の中は日本人審判団が試合を担当していたのですが、審判間以外にも日本語が飛び交う場面がテレビで映されました。

それは昔Jリーグで活躍し、ポルトに移籍して活躍したことでブラジル代表としてのし上がってきたフッキと線審とのやりとりです。

タッチライン(スローインなどが決まる線)を割ったボールがどちらのチームのものか難しい判定になったときに線審がクロアチアボールと判定をしました。その際に競り合っていたフッキが線審に向かって「お願いします お願いします」と言っているような場面がテレビに映しだされました。

こんなところで日本語の会話が出てくるのかと思うと同時に、Jリーグで力をつけたフッキがブラジル代表として戦っているのを見て、Jリーグ好きとしてはとても感慨深いものもありました。

 

●消えるスプレー

ゴール前でのフリーキックでは守備側の選手が並んでいるのをみかけるとおもいます。

あれはフリーキックの地点からある程度守備側が離れなければいけないんですね。

その距離は審判が決めるんですが、審判が離れたあと微妙に前に寄ってきたり。

それを防ぐためにW杯は今大会から「消えるスプレー」というものを使用して白線をひいています。

このスプレーをつかって、FKの時などは距離をちょろまかされないようにするんですね。

外国のリーグではすでに使われているところもあるとかいう情報もあります。

ちなみにこの線は泡でできているようで、1分ほどで自然と消えるつくりのようです。

 

●ブラジルに始まりブラジルで終わるゴール

ここで得点の経過をおおまかに振り返ってみようと思います。

この試合では、まさかのブラジル、マルセロのオウンゴールが今大会初ゴールでした。このオウンゴールは直前でコースが変わったため不運で仕方がないものでしたが、本人をはじめ、ブラジル獣が愕然としたことでしょう。

ブラジルの1点目はネイマールの素晴らしいゴールからでした。テレビで見る限りスピードはゆっくりに見えるのですが、GKからうまく逃げ、ゴールポストに当て決めるという、とても美しいゴールだったように思います。

ブラジルの2点目は、色々なところで話題になっているあのPKでのゴールです。この事についてはあとで詳しく私なりの見方を書きたいと思います。

ブラジルの3点目は オスカルのドリブルからのシュート。あの距離を突き進んでここしか無いというところに決めるわざわ素晴らしかったです。ネイマールと共に名前を挙げられている若い才能が力を見せた場面でもありました。

 

●PKをめぐるジャッジについて

皆さんがこの開幕戦で一番気になっているであろうことに触れていこうと思います。

あのPKをめぐる判定についてです。

これは大きな問題ですし、私の主観が入った見解なので、一つの考えとして捉えて頂ければと思います。

あのPKをとった場面についてですが、PKになるかならないかは、正直言うとどちらでもありうる場面であり、「明確な誤審」という判断は下すことができないと思いますし、判断基準でも変わってくると思います。

FIFAは手を使う行為に対して厳しくジャッジを行うという通達を事前にしていたようです。

今回それを厳しくとるのであれば、ペナルティエリア(以下PA)内で相手の上半身に手をかけて動きを制限しようとしたこの行為が、すでに厳しく取られる対象だったということになります。

その行為をPA内でした時点でPKになるということは十分にありえます。

 

今回はそれだけならよかったのですが、手をかけられた相手の挙動が変な感じになり、シミュレーション(わざと転ぶ行為)に見えるような行為になってしまったことが、このジャッジの批判の格好の対象になってしまいました。審判の立ち位置などの問題もありますが、映像を見た限りではDFがブラジルの選手を手で抑えていたことは映像を見る限り事実であり、その時点で反則を取ったのであれば、そこですでにPKが決定されたのではないかと思います。このジャッジはとても厳しい物でしたが、PKが誤審であるかといわれると、一概に誤審であるとはいえないと私は思います。

 

もしこの手が故意のものではなかったとしても、PA内で得点機会の阻止と判断されればPKを取られてしまいます。

故意じゃなくても反則のわかりやすい例を挙げてみると次のようなものがあります。

ゴールの枠に向かっていたシュートに対して体を入れようとした選手の腕にたまたまあたってしまい、ゴールになるはずだったであろう機会(得点機会)を奪われたらそれもPKです。PA内ではこういったものでも致命的なものになるので、疑わしいと思われることは極力しないということがDFの自衛方法ではないかと思います。

 

今回のPKを取らなかった場合についても、PKじゃないのかと言われ続ける対象にあげられることは間違いなかったと思います。そういった意味ではあの場面は審判泣かせのプレーのように感じました。

 

●試合全体のジャッジ

PKについて触れましたが、次は試合全体のジャッジについて触れていこうと思います。

試合全体のジャッジについては、流すところは適度に流し、流れを止めないようなアドバンテージ(反則があってもされた側が有利な状況ならそのまま続けさせる)をとるなどうまく見ていたように思います。

前回の記事でこの開幕戦が今後のジャッジの基準になりうると言いましたが、

FIFAがPAの場面を含め、特に見解を出さないのであれば、開幕戦が基準の一つとして用いられ、今後のレフェリングも流すべきところは流すが、ゴール前や手を使った反則では厳しくとるということが十分にありえると思います。

もし今回のことでFIFAが西村主審を始めとした審判団に疑問を持つようであれば、グループリーグの審判をするだけで決勝トーナメントの笛を吹くことなく終わるでしょう。

決勝トーナメントの笛を吹くことになれば、それは今回の試合の判断がFIFAからみて正しかったというものになると思われるので、今後の出場試合についても注目です。

 

 ●いい審判とは

「いい審判とは目立たない審判である」といったようなことを言われることが多いです。ここで言う目立たないというのは、基準が安定していて皆が納得するレフェリングをするということだと私は思っています。

もし反則をたくさん取るような審判だったとしても、それぞれのチームに同じように反則をとっているのであれば、見ている方もそこまでいらつくことは無いと思っています。

今回の試合ではまさに今大会の基準がほぼないに等しい状態で、審判泣かせといいたくなるようなプレーまで起こってしまいました。これでは基準がないので周りは事前にどこまでやっていいのかの予想がつきにくく、必然的に手探り状態になり、フラストレーションがたまりやすい状況だったと思います。

このPK以外ではレフェリングはわりと公平におこなわれていたとおもいます。

目立つ大会の目立つ試合ではどうしても目立ってしまう場面もありますが、全体的にみてあまり気にならないのであれば、それはいい審判だったのではないかと思います。

 

ここまで長々と書いていきましたが、前回審判も注目してくれと言ったこともあって後半はそのことがメインになりました。うまく捌けば気付かれず、何かあれば騒ぎ立てられる。これだけ見れば損な役回りに見えるかもしれませんが、そのようなことをわかった上で審判をしている方々は本当にすごいと思いますし、サッカー界にとって必要な存在です。なぜなら審判がいないと試合自体が成り立たないからです。

 

今回・前回の記事では審判に照準を合わせながら紹介をしていきました。

また面白そうな視点があれば、試合のポイントにプラスしてこのように紹介していきたいと思います。

 もし取り上げてほしいことや、ご意見などがあればweb拍手などで聞いて頂ければ、自分の分かる範囲で書いていきたいと思います。

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コメント: 2
  • #1

    ななし (金曜日, 13 6月 2014 23:28)

    VIPでも議論というか貶し合いというかスレが乱立してましたね
    全体的に不毛な煽り合いではありましたが……
    自分もブラジル選手がコケたのはワザとだとしても
    別角度では両腕でガッチリホールドしてるように見える瞬間がありましたし
    それについてファールを取るのは妥当じゃないかと思う一方で
    ファールを取るにしては全体的に緩すぎたなどの意見も見かけてそれもあるかなとも思いました
    でもあのファールは取っても取らなくても物議を醸したでしょうね

  • #2

    soccer-and-others (土曜日, 14 6月 2014 06:51)

    試合を見たあとに外に出たのでVIPの様子は知らなかったのですが案の定そういうことが合ったのですね。
    たしかにゴール前周辺のみ厳し目で、あとはところどころ緩やかだったかなという気もします。アドバンテージを見ながらが割とあったというのもあるとは思いますが。
    物議を醸されるのは注目試合ではそれだけ多くの人が見ているということなので影響力が大きく、ある意味仕方ないことなのかもしれませんね。

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