ブラジルW杯 グループC第1節 日本vsコートジボワール

ついに日本代表のW杯が始まりました。

相手はヤヤ・トゥーレや、国では神格的な存在になりつつあるドログバなどを擁したコートジボワール。

日本のスタメンは次のようになりました。

GK  川島永嗣

DF  内田篤人

長友佑都

森重真人

吉田麻也

MF  山口蛍

長谷部誠

FW  本田圭佑

岡崎慎司

香川真司

大迫勇也

 

CBを森重に、MFを長谷部と山口のコンビにしたことが目新しい部分でした。

ワントップには大迫が入り、どのような活躍をするかも注目です。

 

一方のコートジボワールは、怪我で出場が危ぶまれたヤヤ・トゥーレがスタメンとなり、英雄ドログバはベンチスタートとなりました。

 

例によってネタバレ防止のため、お手数ですがリンクをクリックして続きをご覧ください。

それでは試合結果と、佐助主観によるポイントを幾つか書いていきます。

 

   日本 1 ー 2 コートジボワール

    16 本田

           64 ボニー

           66 ジェルビーニョ

 

●押し込まれながらも要所要所で攻撃をみることができた前半

試合開始直後はお互いに様子を見るような形ではじまったこの試合でした。

相手にシュートを幾つか打たれ、こちらがまだ1本も売っていない16分に試合は動きます。

スローインからはじまったボールをサイドにいた長友から、中にいた本田がフリーで受け取り、開いていた狭いコースに叩き入れ見事にゴール。このときの本田のポジショニングは相手のマークを振り切っており、素晴らしい物がありました。

その後も何度か攻め上がりますが結局は得点を決められず前半が終わりました。

ここで良かった点は、コンディションを心配されていた内田がいい攻め上がりをしていたことでした。反面、気になる点としては大迫が緊張のせいか、それとも選手間の距離感が適正ではなかったせいか前戦で孤立無援状態になってしまうことが多かったことでした。

 

●ベンチワークが鍵となった後半

54分、ザッケローニ監督は長谷部に変えて遠藤を投入します。全体をまとめるキャプテンとしてピッチで動いていた長谷部でしたが、コンディションが心配される中スタメンで出場でしたのでこれは致し方ない部分がありました。

そして、62分、ついにコートジボワールが英雄ドログバを投入させます。敵将のこの判断がこのゲームに素晴らしい影響をおよぼすことになります。

 

ドログバ投入の2分後に同点弾を決められ、その2分後には逆転弾を決められてしまいました。ドログバを入れたことでコートジボワールに活気がついたこと。日本のディフェンスがクロスの出し手・受け手に全くと言っていいいいほどプレッシャーを掛けることができなかったこと。キャプテン長谷部が退いていたためにチーム全体をしっかりと鼓舞できる選手がおらず、1点目をかえされた後、落ち着くまもなくキックオフとなってしまったこと。様々な要因が重なってこの2失点につながってしまったような気がしました。

 

67分に前線孤立状態となってしまっていた大迫から大久保に

86分にはこの試合にうまく入っていけなかった香川から柿谷に選手交代をしましたが時すでに遅し。

反撃をすることなく終わってしまいました。同点のまま進めていればチャンスはまだ多かったかもしれませんが、一気に勝ち越しまで許してしまったことで、コートジボワールが引き気味で守備重視のプレーになり、その扉をなかなかこじ開けることができませんでした。

 

●曲げてしまった信念

この試合を見て最後の最後に思ってしまったことは、日本代表として固めていた信念を曲げてしまったことです。その信念とは「パワープレーではなく中盤からの崩しなどを中心として攻め上がる」というものです。明確にザッケローニ監督が言っていたわけではありませんが、そのように私が思っているのは、最終メンバーに選ぶ23人のメンバー構成でそのようなメッセージを暗に発していたからです。

 

なぜ私がそう思ったか。それはパワープレー要員のFWを誰一人として連れて行かなかったからです。

例えばハーフナーマイク。あの高さはセットプレーや最後の放り込みパワープレーでとても武器になります。

そして他には最終合宿にも呼ばれていたサガン鳥栖の豊田陽平。純粋な高さこそハーフナーマイクには劣りますが、体の強さは星稜高校時代にゴジラ松井の身体能力テスト記録を更新したというエピソードもあり抜群で、その体の強さからJリーグでもサガン鳥栖で相手DFと競り合い、圧倒的な制空権を獲得しています。

 

最終的には23人からこのような選手を外したため、ザッケローニ監督は攻め方に腹をくくったと思っていました。しかしこの試合の終盤に、吉田麻也を前線にあげてパワープレーを指示しました。足が止まっていたから、流れが悪かったからといって早めに選手を変えるわけでもなく、3人目の選手交代も86分と遅く、代わりに豊田を投入してもおかしくない時間までカードは残っていました。パワープレーをするにはやはり、豊田と柿谷では力の差がはっきりとあります。おまけに相手は屈強なアフリカ選手たちです。その作戦を取るにはあまりにも勝算が少なく、結局はズルズルと相手の土俵に引きずり込まれてしまったと思ってしまうような終盤でした。

 

冷静に試合を見ていこうと思っていましたが、やはり自国の戦いとなるとなかなかそのようにはいかないなと感じました。最後の方はあつくかいてしまいましたが、今の正直な気持ちではあります。ですが、23人という枠はもう変わることはないので、分析をして再び信念を突き通し、選手間の距離をコンパクトにすることでつながるサッカーを行い、次は勝利してくれることを期待しています。

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コメント: 4
  • #1

    ななし (日曜日, 15 6月 2014 15:55)

    ジャパンマネーが働いて本当なら7時か8時?だったキックオフが10時になったとかいう情報を見かけましたが
    そう言った面も悪く作用したのかもしれませんが
    そういう条件ではコートジボワールも同じですね

    懸念材料だった本田の調子は復調してるみたいでしたが
    後半は全体的に運動量も目に見えて下がってるように感じました
    ザンビア戦の不安がそのままこの試合に出ちゃった感じもします

    交代の遅さ含めたザッケローニ監督の采配ミス
    加えて選手達にもどことなく甘さが出てる気もしましたね
    今となっては負けるべくして負けたと言わざるを得ないのかもしれません

    次は勝てるといいですね

  • #2

    名無し (日曜日, 15 6月 2014 17:25)

    速報感のある記事でいいですねーとても参考になります
    普段テレビや新聞でしかスポーツ情報に触れない自分にとって、
    このサイトのマニア視点、エピソードなどにも触れた文章はありがたい情報源です

    しかしグループC、他国も中々のチームですね…
    ギリシャには勝てそうなのかな? コロンビアは相当強いとか…

    まあ勝負は終わるまで分かりませんし、頑張って勝って欲しいです!

  • #3

    soccer-and-others (日曜日, 15 6月 2014 22:17)

    >#1さん
    コメントありがとうございます。
    確かにこの試合のみ現地PM10時スタートとなっていましたね。自分もジャパンマネーの影響ではないかなと思います。選手にとっては現地の深夜から試合というのは過酷な状況だっただろうなと感じます。また、深夜ということで治安の良い日本で普段過ごしている日本人サポーターが危険な目に合わないかということが心配だったりもしました。

    後半はなすすべがないような状態でしたね。全体的に運動量は下がっていたと思います。フィジカル面での心配は絶えませんね。

    ザッケローニ監督からも、采配の狙いを外してしまったという声明がでていたという記事が出ていました。しっかりとそのことをメディアに言えてはいるので、今後の修正に全力を注いで貰いたいなと思います。

    日本選手も相当悔しい思いをしているようなので次は勝てるように見守りたいと思います。

  • #4

    soccer-and-others (日曜日, 15 6月 2014 22:21)

    >#2さん
    コメントありがとうございます。
    せっかくのW杯特需なので全ては厳しいですがかけるぶんは書いていきたいなと思っています。
    このサイトの情報が、サッカーの新たな楽しみ方を見つけるための手段の一つとして力になれれば管理人冥利に尽きます。

    コロンビアの試合はあまり詳しく見れなかったのですが、ギリシャとコロンビアの力の差はかなりあったようですね。
    日本の次の相手はギリシャなのでまずはここでしっかり勝って次につなげてほしいなと思います。

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